インターネットの普及は、グローバル化を加速させ、投資の世界にも大きな変革をもたらしました。FXや株式取引といった投資活動は、場所を選ばずに行えるようになり、誰でも世界中の市場に参加できるようになりました。しかし、日本国内で投資事業を行っている場合、たとえオフショア法人を設立して海外の口座を利用したとしても、日本の税金から逃れることはできません。日本の税制は、日本国内に住所や居所を有する人に、世界中の所得に対して課税する仕組みになっているからです。これは、タックスヘイブン特別税制が強化された事に理由があります。ここでいうオフショア法人とは登記した国以外で事業を行う法人を指し、主にタックスヘイブンと呼ばれる国や地域で設立される事が多く、その理由として、タックスヘイブンでは、設立された法人に対して非常に低い税率が適用されるか、場合によっては税金がかからないことが挙げられます。これを利用し、過度な節税やマネーロンダリングなどの犯罪にタックスヘイブンが利用されてきたため、OECD(経済協力開発機構)を中心として発足した、国境を越えた金融口座情報の自動交換を行う国際的な制度であり共通報告基準であるCRSという制度に参加し、また、タックスヘイブン特別税制を強化して、過度な節税や犯罪を防止しながら、適切な課税を求めているのです。
そこで、より効果的な節税を検討する人の中には、日本を離れて海外に移住するという選択肢を取る人もいます。海外に居住地を定め、1年の半分以上をそこで過ごすことで、日本の非居住者とみなされるようになり、日本の税金が課税されない可能性があるからです。例えば、その国のビザの種類によって税制が異なるため、キャピタルゲイン税が非課税の国に移住したり、様々な選択肢の中から自分に合ったものを選ぶことができます。例えば移住する国をフィリピンに決めたとします。フィリピンの場合、投資で得た儲けに対するキャピタルゲイン税はありませんが、株式取引税(売却税)が課せられます。つまり投資によって利益を得ようが損失を出そうが関係なく、株式を売買するなど取引をするだけで税金を課せられるのです。また仮想通貨については、フィリピンでは所得税の対象になっています。このように移住する国や地域を事前に念入りに精査しないと、こんな筈ではなかったと後悔する事になりかねません。しかし、いずれの場合も、海外に実際に住んでいるかどうかが、課税の有無を大きく左右する重要なポイントである事は間違いありません。
であるならば、株やFXなど投資で増やしたお金に対して、上手に節税するには、ビザを取得し海外移住することに加えて、オフショア法人を組み合わせることが、投資という分野における節税への近道となります。これにより、オフショア法人は得た利益をほぼ全額、内部に留めることができます。そのため、投資で得た利益をそのまま再投資に投入する事が可能になり、資産が増えるスピードを格段に速くすることができるようになります。つまり、海外移住とオフショア法人の組み合わせは、投資における節税戦略として非常に有効な手段と言えるでしょう。また、タックスヘイブンでは、会計監査がないため、日本でいう決算の概念がありません。そのため、個人でオフショア法人を運営している場合には、会社資産がそのまま個人資産として利用する事が可能となります。
このように、投資とオフショア法人は非常に相性がいいと言えます。そこで、オフショア法人設立代行を主業務とするサービスプロバイダーの利用がさらに効率を高め、無駄を無くします。このサービスプロバイダーはどのタックスヘイブンが投資を主業務とするオフショア法人に有効であるかを熟知しており、また、設立に関する様々な書類作成に関する事案だけではなく、投資に適した銀行の提案、例えばCRSに加盟していない銀行の紹介などオフショア法人にとって有益な情報をもたらしてくれます。そしてこのサービスプロバイダーを利用する上で一番重要なのは、情報のアップデートに怠りがないという事です。そのようなサービスプロバイダーの選定に失費しないためにも、過去の実績などを精査した上で選定すれば、投資を主業務としたオフショア法人の成功への道が開かれます。